今から12・3年くらいまえの思い出話です。
今でも体を動かすのは好きで、散歩に出かけたり、アテもなくウロウロとしていたり。
筋トレも真剣じゃないけれど、やっていたり。
たぶん、そんなことが楽しめるようになったのは、このころのこともあったのかなっていう記憶。
あのころも体を動かすことは億劫じゃなくて、仕事へ行くのに、時間を掛けて歩いていたり。
帰りも暗いのに歩いていたり。
とにかく歩くっていうことは嫌だって思いませんでした。
季節が暑くても寒くても。
走ることじゃなければ、どこまででも歩いていけそうな。。。極端だけど。
それくらい、体を動かすことについて、前向きな思いでいました。
そんなわたしのことを見て、ある日、それまでわたしが思ってもいないようなところへ連れて行ってもらえることになりました。
後にも先にも、そのときが最後なのだけど。
秋の北アルプスへ行ってみませんか?って。
上高地まで行って、そこから一日中歩いて、それでもまだ着かなくて、途中の山小屋で泊まって。
到着したら、また泊まって。
帰りは下りだから一気に歩いてくるっていう予定でした。
わたしは、そういうところへ行ったこともないし、もちろん準備もまったく持っていなかったし。
何をどうしたら良いのかも分からなくて。
でも、その誘い文句の中に
「日本一の紅葉が見られる場所だよ」
っていうのがあって、ものすごくそそられていました。
それはもう、信じられないくらいの景色が見られるって。
上高地へ行くだけでも、わたしにとっては大冒険のような旅行気分なのに、そこからさらに歩いていくなんて。
ただ・・・「のんびりとした行程だから大丈夫」といってくれた言葉だけを信じていて。
時季は10月のはじめくらい。
仕事の繋がりで面倒を見てくれていた、当時の客先の夫婦。
まだ社会人になって間もないくらいで知らないことだらけで、きっと失礼なこともたくさんあったと思います。
それでも良くしてくれて。
わたしよりも30歳くらい年上で、おじさんとおばさんなのだけど、すごく足が速くて体力があって。
スタスタと進んでいってしまう感じ。
もうひとりは、その息子さん。
こちらもわたしより10歳くらい年上で、山歩きをする経験があるようには見えなかったけれど。
でも男のひとだし、体格も悪くはなかったし。
きっと動けるっていう感じ。
この3人に連れられて、言われるがままバスに乗って、現地について。
右も左も分からないし、これから歩くよっていう時間が、早いのか遅いのかも分からないし。
途中の休憩だって、予定より早いか遅いかも分からない。
そんな状況で、でも秋の爽やかな空気で気持ちが良くて。
初めて買いそろえたグッズは、ちゃんと必要なものが詰め込まれたのか分かっていないけれど。
とりあえず、教えてもらったとおりには買えたっていう状態。
仕事の繋がりだったので、仕事の様子が変わってしまえば、だんだんと疎遠になるし、連絡を取る用事もなくなって。
そのときから、2年くらい経つころには、もう接点もなくなったけれど。
とても珍しい体験で、思い出として残っています。

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