唇を合わせるようにして

温泉は好きで、日帰りはヒマなときとかに行きます。

ひとりでも、あちこち巡ってみたいと思ってて。
むしろひとりのほうが気が楽なんじゃないかって思うくらい。

TTさんは、わたしのそういう趣味も理解してくれてて、いろんな温泉施設を教えてくれるし、わたしが行こうとしているのを知っても、無理に合わせようとしなくて。
わざわざ予定になったりすると、面倒だというか。

そこまで一緒に過ごす必要が無いような気もするし。。。

たぶんTTさんも面倒なんだろうなって思います。

そのへんも一致しているのかな。。。と。

ただ、わたしがそういうのが好きだっていうのだけを理解してて、時間が合うときはそれに合わせてくれる感じ。

この間も、そういう感じで。
久しぶりだから長く時間を取ってくれる感じもしたけれど。

行ったところは、山に囲まれた日帰り温泉。

道には、たくさんの人が歩いてて、白線からハミ出て歩いているひともいるくらいで、しっかり前を見てないと・・・という感じ。

秋らしい景色を見るのも好きなので、そういう場所を選んでもらったことも、ありがたかったです。
ちょっと遠かったけれど。。。

ただ車を停めてじっくり眺めるっていうわけじゃなくて、ただ窓の外に流れてる景色を楽しむだけ。

それでも十分だけど。

着いた温泉は、空いてました。

すぐ近くでは人がたくさんなのに。

不思議な感じがしながら、入口を入って券売機で温泉の券を買って。

温泉は建物の奥でした。
上がったら休憩スペースで待ち合わせの約束をして。

温泉自体が空いていたからだと思うけれど。
浴室にも誰もいなくて。

不思議な感じだけど、安心して足が伸ばせる感じ。

この温泉を選んだ理由って「もしかして空いているのを知ってて?」と思いながら、温泉の中で足を伸ばします。

壁の一枚向こうには男湯で、音を聞いてるとそっちには誰かが入っているみたい。

「あーー」って唸っているような声が、TTさんの声とは違って、それとは別に桶を当てる音がして。

温泉も久しぶりだったと思います。
のんびりできました。

上がってみたら、休憩スペースではもうTTさんが大の字になってました。

何か食べたりするのかな?と思ったけど、それはいらないみたいで。

わたしはソフトクリームを頼みました。

400円もしたけど。。。。

ソフトクリームを持って温泉を出て。

せっかく来たから休憩スペースでのんびりするって感じでもなくて。
車に戻ってまた移動して。

山に囲まれた中をグルグル曲がりながら、向こうに見えてる街の方へ向かって。

次に到着した場所。

そこで車を降りて、ふたりで建物の中に入って。

いくつも部屋があるホテルなのに、週末の昼間から、部屋が埋まっている感じ。

人のことはいえないけれど。。。

別に好みとかもないから、選んでもらったそのまま。
あとを着いていくだけ。

部屋に入ると、聞き覚えのあるアナウンスが流れて、わたしはソファに座って。
いちおう置いてあるのを見て。

TTさんはバッグを下ろして、部屋の中をウロウロとしたあと、わたしが座る隣に腰掛けました。

温泉へ行くまでも、行ってからココにくるまでも話しをしてて。
ソファに腰掛けてまで話すこともなくて。

わたしは開いて見ていた冊子をTTさんにも向けました。

TTさんは横に座って、冊子を見ているのか分からないけれど、わたしの背中をさすってくれて、それから肩を抱き寄せるようにするので、それに身を任せて、肩に寄りかかりました。

きっと、ホテルが用意している冊子なんて、興味も無くて。
わたしもそんなに興味は無いけれど。

肩を抱き寄せたまま、顔を覗き込むようにするので、わたしは顔を上げると、唇を合わせるようにしてきました。

近づいてきた唇に、わたしも唇を合わせるようにして、何度も軽く唇を触れ合わせました。

そうしているうちに、わたしの肩を抱いている手に、力が入っている感じが伝わってきて、わたしは唇が重なるときに、少しだけ舌で触れました。

それに応えるみたいに、TTさんの舌が唇の奥へ入ってきます。

唇の周りも、歯の奥も。

抱き寄せられたまま。

唇の周りを舐められて。

肩を抱いている手とは別の手は、わたしの胸に置かれていて。。

右へ左へ寄せるようにしたり。
握るようにしたり。

ブラジャーが軋むみたいに。

シャツの上からでも、胸の先端を探るみたいにして、爪の先で刺激をしてきます。

ピンポイントじゃなくても。
その小さな振動が。。

肩にあった手も、背中を撫でるみたいに動いていたのに。
いつのまにか、お尻を掴んでいて。

もう、どこに触れようとするのかも分からないまま。

ソファの上で、押し倒されていました。

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