胸だけなひと

わたしがインターネットをきっかけにして知り合ったスーさんは、とにかく胸が好きなのだそうです。

それが良いかどうかって話になったら、ぜったいに良いことなんてないし、いつまでも懲りないって叱られるのは、わかりきっているのだし。

そういう関係を繰り返してしまっているのは、反省しなければいけないところなのだけど。
そうもならないのが、ほんとうに、、、

言葉にもならないというか、できないというか。

休日の午後は、ヒマを持て余してしまって。
あちこちに連絡を取っていたのだけれど、その中でも返事が早くて、話が早かったっていうのが、スーさんでした。

「どうする?」

「会う?」

っていう、短い言葉を繰り返しながら、要件が片付けられて、時間と場所を約束して。
何十分かあとには、待ち合わせの場所に向かっていて。

わたしの家からは15分か20分ぐらいの場所にあるコンビニ。
前にもそこで会ったことがありました。

特にコンビニに用があったわけじゃないから、そこで待ち合わせたら、とりあえず駐車場で立ち話になって。
どこへ行こうか、どうしようかって。

こういう声に反応するスピードとか、それに返事をするシンプルさみたいなのって、しかもこの人のことだから、目的は見え見えという感じだけれど。
わたしも、それは見え見えなのが分かっていて、待ち合わせに来ていたのだから、どっちもどっちという感じ。

だからって、簡単に言うとおりに着いていく気にもならなくて。

お互いに、それぞれの車で場所を変えることになりました。

こういうときに行く場所って、だいたい決まっているようなものなのか、わたしがそうしているのか分からないのだけど。。。
だいたいひとけのない駐車場の片隅とか、河原の空き地みたいなところとか。

今日も、車が疎らな駐車場で、建物の正面に車が停められるのに、わざわざ端に停めるような感じでした。
高速道路のサービスエリア的な、ちょっとしたお土産物みたいなのと、広場みたいなのとがあって、お買い物のほかにも休憩したり、散歩をしたりできる感じ。

少しふたりで歩くような話しで、車を降りて、特に盛り上がるような話題も無いのだけど。
ブラブラとしながら、ぼんやりと歩いて。

人はいたり、いなかったり。

スーさんはこういうのに慣れているのか、自然と手を出すので、わたしもなんとなく手を出すと、ぎゅっと握って、手を繋いでの散歩になりました。

そんなに広くもなかったから、一周ぐるっとするのも早くて、すぐに終わってしまったのだけど。
建物に近づいてきたころに、
「このへんでちょっと良いことしません?」
と言われました。

建物が入り組んでいて日影になっていて、窓もなくて。
ひと目につきづらそうなところ。
だからって、誰かが通らないとも限らないところだったのだけど。

スーさんに手を引かれて、建物の影に入ると、その場で抱きしめられました。

わたしは、ぎゅっとされながら、軽く手を回すくらいにしていたのだけど。
スーさんがコートの上から胸に触れるようにしてきていて。

少し身を引いて、手が触れるのを見たのだけど、スーさんはわたしが見ているのも分かっているのに。
留めていたボタンの間から、指を差し入れるようにして、もっと大胆に触れようとしていました。

「ここで?」
っていう質問ぐらいしか、言葉が出てこなかったのだけど。
「触るだけだから」
という返事で、そのまま手が止まることもなくて。

コートのボタンを外して、服の中に手を入れようとしているのを、わたしは黙って見ていて。
キャミソールの上からお腹に触れて、ブラジャーの形を確かめるような手つきで、胸を撫でてきます。

触れているうちに、ブラジャーがずれると、指先で先を撫でるように、、、
キャミソールの上っていうだけで、布が擦れる感じがこそばゆくて、我慢ができない感じで。

スーさんの服を握って、その刺激に耐えていると、
「今日はここだけだから」
みたいなことを言われました。

ここっていうのが、触れている胸のことなのか、建物の影のことなのか分からないけれど、、、

でも、直接じゃないけれど。
指先で触れられたり、、、、
摘ままれるようにされたり、、、

そんな時間がしばらく続いて。

スーさんの顔を見ると、ニヤニヤしているところが見えて。
それがなんだか意地悪くて。

別に誰かが来たとか、音がしたとか、そういうわけでもなかったのだけど。
少ししたら、スーさんは手を止めてくれました。

「どうだった?」
っていうのと、
「落ち着いてお茶でもしようか」
っていうのと。

わたしは特に返事もできないで、頷くくらい。

建物の中でお茶を買って。
ベンチに少し腰を掛けて。

そんなにたくさん話しはしなかったけれど。

それだけで帰りました。

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